地域の中でコツコツと続いていく
先日、かつて一緒に頑張ったボラさんが、わざわざ会いに来てくださいました。
そして、猫の管理で使用している『猫リスト』を見せてくださいました。
「ほら。○○公園、ついにあと5頭になったんですよ!」
もう10年位前のことです。彼女が住んでいる街は、とにかく、右を見ても左を見ても、地域一帯がどこもかしこも野良猫だらけだったのです。猫コロニーがいくつあるかも分からないほど。
特に公園のことは忘れられません。あり得ない頭数がいて。苦情もものすごく……。
ボラさん(と言ったって、いわゆる普通の地域住民です)は、やりたくてやったのではなく、「もうやるしかない。仕方がない。」と覚悟を決めたのだと思います。
全くの初心者だった彼女ですが、「私、もう、やることにしました」と仰っていたのを覚えています。
一緒に色々考えたこと、懐かしく思い出されます。
そして時は流れ。
私も関われなくなり。
でも彼女は何も変わらずにコツコツと、地域の人たちや餌やりさんと話をしながら対策を継続し……。
毒餌さえ撒かれていたあの公園では、残り5頭が平和に余生を過ごしているというのです。
それどころか、あの公園だけでなく、どこを見ても野良猫だらけだったあの街で、今ではもう、野良猫はあまり見かけないというのです。
ごく普通の地域住民だった方が、ひたすら誠意誠実に、謙虚に、地域のためと猫のために頑張り、猫をめぐって住民がいがみ合うことのない平和な地域になった……。
泣けてきます。
これだから足が洗えないのです。猫好きでもないのに。
きっと「人間って捨てたもんじゃないな」って思えるからなのでしょう。