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2019年10月

2019年10月14日 (月)

地域猫活動の定義

今さらですが、地域猫活動(あるいは地域猫対策)って、どんな活動のことを言うのでしょうか。

法治国家ですから、なによりもまず、法令の定義を踏まえねばなりません。

法令において、「地域猫対策」(ここでは法令どおり「対策」と言います)の定義は、ふたつの「環境省告示」に書かれています。(「ガイドライン」もありますが、「告示」は官報に掲載される国の公示であり、法令全書にも掲載されます。つまり、「告示」は法令です。)


ひとつめは「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」(動物愛護管理基本指針)です。

これは、動物愛護管理法に基づいて各自治体が施策を進めるときの、具体的な指針です。

各自治体は、この指針に沿って施策を進めねばなりません。

ここには、以下のように書いてあります。


(3) 動物による危害や迷惑問題の防止

①現状と課題

(省略)

②講ずべき施策

ア 住宅密集地等において飼い主のいない猫に不妊去勢手術を施して地域住民の十分な理解の下に管理する地域猫対策について、地域の実情を踏まえた計画づくり等への支援を含め、飼い主のいない猫を生み出さないための取組を推進し、猫の引取り数削減の推進を図ること。


ポイント1

動物による危害や迷惑問題の防止」に分類されている。

ポイント2

「地域住民の十分な理解の下」に「管理する」と定義されている。

ポイント3

「飼い主のいない猫を生み出さないための取組」である。

ポイント4

ポイント3の推進によって「猫の引取り数削減の推進を図る」ものである。


実にシンプルですね。解説不要と思います。


ふたつめは「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」です。前述の「指針」は自治体向けでしたが、こちらは、国民向けのものです。

以下のように書いてあります。


第5 猫の飼養及び保管に関する基準

6 飼い主のいない猫を管理する場合には、不妊去勢手術を施して、周辺地域の住民の十分な理解の下に、給餌及び給水、排せつ物の適正な処理等を行う地域猫対策など、周辺の生活環境及び引取り数の削減に配慮した管理を実施するよう努めること。

ポイント1

「飼い主のいない猫を管理する場合には」と書かれている。

ポイント2

「周辺地域の住民の十分な理解の下に」と定義されている。

ポイント3

「周辺の生活環境」及び「引取り数の削減」に配慮した「管理」を実施するよう努めること、と書かれている。


これも、実にシンプルです。解説不要ですね。


まとめると、地域猫対策とは、

1 「動物による危害や迷惑防止」に分類されるものである。

2 地域住民の十分な理解の下に行われる、飼い主のいない猫の管理である。

3 飼い主のいない猫を生み出さないための取組である。

4 周辺の生活環境に配慮するものである。

5 目的は「引取り数の削減」を図ることである。


私も色々と言っていますし、書いていますが、結局のところ、私の「学説(解釈)」に過ぎないのです。

上記の公式定義は揺るぎません。なにしろ法令ですから。


最近ちょっとモヤモヤしていたのですが、こうやって改めてまとめてみて、気分がとてもスッキリしました。

ここには、私が惚れ込んだ地域猫活動(対策)のエッセンスが全て盛り込まれているからです。

さてと、ここらで原点回帰をせねばなりませんね。


初めてこの対策に出会って、感動した頃の感覚が戻ってきました。


余談ですが、NPOねこだすけさんは、地域猫「対策」という言葉にこだわっていらっしゃいます。こうやってまとめてみると、たしかに「対策」と呼ぶ方がこの活動の趣旨にふさわしい気がしてきますね。

2019年10月 5日 (土)

不要な存在になりたい

最近、引き際について考えることが多いです。

有名になりたい訳ではないし、先生と呼ばれるのも困惑するし、そもそも猫が(動物全般が)好きではないし(嫌いな訳でもない)、正義を実現する活動家にはなれないし。

 

地域猫活動は地域環境改善の活動と言われますが(実際、そのとおりですが)、グループでの活動であれ、町会での活動であれ、動物愛護精神を持つ方の純粋な思いがなにかしら関わっていて、その地域活動を支えている(あるいはきっかけになっている)ことが多いです。

 

もちろん、ふん尿などの被害者の方だけで対策をする場合もあります。

そういう方と一緒にやったこともあります。

ですが、やはり稀です。

 

多くの場合、地域猫活動の中心には、「外の猫を助けたい」「外の猫が安心して暮らせる地域をつくりたい」という熱い思いがあるのです。

 

最終的には、ノラ猫が安住できるような地域づくりをするのですから、私は、地域猫活動は動物愛護活動だと思います。

地域環境改善という手法を通して、猫の幸せを実現するということですね。

だからこそ、多くの動物愛護家の方が、地域猫活動に関わっている訳です。

 

猫の被害者の方からも邪険にされないような地域づくりをするのですから、究極の動物愛護活動です。

 

正直に告白しますが、動物好きでない(嫌いでもない)私には、たぶん、「なにがなんでも」という情熱が足りないような気がします。

愛猫家の皆さんの中にいて、「自分はここにいてよいのだろうか」と自問自答します。

 

それでも、以前にブログで書いたように、私がこれまでやってきたことによって、多くの人がこの世界に足を踏み入れた訳で、私には責任があると考えています。

特に、挫折し泣きながら去っていった人たちのことは、今でも忘れることができません。

 

それから、被害に頭を抱えている住民の方、苦情の嵐の中で精神バランスの危機にある行政職員の方、犯罪者でもないのに近隣から集中砲火を浴びているエサやりの方、そういった方々のお役に立ちたいという思いもあります。

 

各地でその地域にあったスタイルのノラ猫対策が行われ(地域猫活動でなくても全然構わないです)、もはや私が必要とされることのない世の中になってほしい。

 

私は、「私が不要になるために、今、何をすべきか」をいつも考えています。

 

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