地域に合ったやり方で
地域猫活動(対策)は、環境省告示に明記されている施策です。
「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」
この告示(指針)には、「動物愛護管理法」の目的を達成するために自治体は何をすべきか、が記されています。
地域猫活動(対策)は地域住民による典型的な地域活動ですが、この告示の中で、自治体は全体的なプロデュースをすることが求められています。
自治体ごとに色々なやり方があり、登録方式、届出方式、モデル地区方式、等と呼ばれているようです。
もっとユルく、地域広報することを条件にして、どうぶつ基金さんのチケットを渡すのみ、というやり方の自治体さんもあります。
私自身は〇〇方式という名称は使いません。
類型化することによって、ステレオタイプ的な見方が助長されるような気がするので。
「〇〇方式ってさ、××という点が問題なんだよね~。」みたいなやつです。
実際には、同じやり方は2つと無く、同じ方式と呼ばれているものであっても、全く違うコンセプトだったりします。
私が考えたやり方は、もし分類するならば、登録方式ということになるのでしょう。
「私が考えた」な~んて言っても、登録方式自体は、私が発案者ではありません。
ちゃんと先人がいらっしゃって、他の自治体さんで導入されていたものを、我が地域に合うようにアレンジしただけなのですが(^^;
そりゃ、簡単なアレンジではなく、当時は死に物狂いで頭を使いましたけれども・・・。仕事なんだから当たり前ですね。
ありがたいことに色々な自治体に呼んでいただいていますが、私は、自分が考えた方式を勧めることはしていません。
なぜなら、自治体ごとに、財政事情も、職員の人的事情も、地域事情も、みんな違うからです。
私の考えた方式が、他所でも役立つとは限りません。
というか、直輸入ならば絶対にうまくいきません。違うまちなのだから、当たり前です。
各々の自治体が、市民生活の向上のために、自分たちのまちに最も合うやり方を一所懸命に考えること。
これが最も大切なことだと思っています。
もちろん、相談されれば、「こちらの自治体は、〇〇市さんみたいなやり方が合うかもしれませんね」というようなアドバイスはさせていただいています。
でも、他所のやり方を勧めることはあっても、私自身が考案したやり方を自分から勧めることは、まず無いですね。
手前味噌だし、なんか、こっぱずかしいというか。
大変さも分かっていますし。
「やりたい」と言われれば、もちろん一所懸命に助言させていただきますが(「合わないから止めた方がいい」と助言することもあります)。
それに、私、部外者なのです。
外部の者が、地域事情も知らず、地域住民の生の声も知らないのに、とやかく口出しするのは無責任だと思うのです。
行政担当の方々には、地域事情に合うやり方を、地域の皆さんともよく話しながら、考えてほしいと願っています。
他所を参考にしつつも、地域特性に合う、身の丈に合ったやり方があるはずです。
ある哲学者は「教師とは、助産師である」と言っています。
その自治体なりのやり方(その自治体なりの真実)を一所懸命に産みだそうしているならば、私、喜んでお手伝いさせていただきたいと、思っています。
産もうとする情熱は、世界を変えますから。